坂田卓也製作所

なら丸太

先日、仕入れた楢の丸太の製材に行きました。

いつもは既に板になった乾燥材を購入していますが、今回は丸太から仕入れました。

15年以上、家具製作の仕事をしていますが初丸太です。

ここ数年は楢がもろもろの大人の事情により極端な供給不足になっていて、良い材を入手する機会が減っています。

ちょうど楢がほしいタイミングでいつもお世話になっている木材屋さんから、楢の丸太を仕入れたのでどう?と紹介してもらったので購入する事になりました。

ドーン。6mあります。

うねり具合。セクシー。

板になった状態では感じにくい、木の立ち姿を想像します。

木の育った環境が、反りや収縮、色や木目などの個性につながります。

家具の製作ももっと木の個性を感じながら作業できたら、作るものにも良い影響があるんだろうなと思います。

歩留まりを考えて大小2分割にしました。

製材機に乗せられました。
丸太の形状、芯の状態に合わせて鋸を入れるベストな位置を入念にさぐります。

鋸が入りました。

ぱっかーん!
楢から生まれた、、こんにちは楢です。何も出てきません。

板目、耳付きの板目、柾目の材を取りました。
板目は天板に、柾目は主に椅子の笠木に使用する予定です。

今回は特に耳付きの板目ですっきりした天板を作ってみたかったので、一般的な耳付き材よりも薄めに挽きました。
耳付きで良い部分は、1本の丸太から取れる枚数が限られていますので大事に使おうと思います。

乾燥材とは違う、生木のツーンと鼻の奥にまでくる爽やかで強烈な香り。

乾燥材を選んで購入する方が合理的でリスクが少ないのですが、木は均質な単なる材料ではなく野性味あふれる個体である事をより感じさせられました。

きれな部分、きたない部分いろいろありますが、同じ木から取れる材なのでできるだけ活かして使いたいと思います。