以前にお作りした松のベンチの続編です。
今回は旧家から取り出した地袋の松の一枚板から3種類、計10枚のお盆を作成しました。
手前の4枚は坂田製作所から提案した形状で、中央の2枚と奥の4枚はお客様が持っておられたものの写しです。
松ヤニの固まった部分の冬目と、やわらかい夏目の差が大きく彫るのに苦労する材ですが、独特の木目です。
こちらの形のもとになったお盆は、ひいお祖母さんが大事にされていたもので江戸時代の後期に作られたそうです。
ぱっと見は平凡な感じですが、使ってみると持ちやすくて嫌な感じが無くこのお盆の良さがわかりました。
肩肘張らずに使えるところがすごく良いです。
お客様の提案で旧家から出てきたお宅の屋号が彫られた印鑑で焼き印を作って、お盆の裏に押しました。
部材を選ぶところから関わらせていただいたので作りながらお盆の材が旧家の地袋として使われていた事などを思って、最後に焼き印を押して感慨深くなりました。
最初に旧家を見に伺ってから2年弱、時間がかかりましたがお客様にもよろこんでいただけて本当に良かったです。
松のお盆
- 2015/12/06
- 日記