坂田卓也製作所

新作椅子

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10月14日(訂正:10月4日です)に新館オープンする竹中大工道具館に、関西で木工家具を作っている十数名の椅子が、1階ロビーに設置されます。
そのための1脚を新作の椅子として作りました。
新館設置用の椅子は1年ほど前に決まっていたものの、最後は8月末の期限いっぱいで完成して納品しました。
なんとか滑り込みで夏休みの宿題を提出できたと思っていましたが、29日(金)のお昼の時点で納品されていたのは5脚ほど。
10月オープンぎりぎりに納品するツワモノもいるようで、これでも木工家具業界では優等生のようです。
設計はハンス・ウェグナーの笠木を後脚で支えるタイプのアームチェアをもとにして日本人の身体、家の空間になじみやすい形になるようにと思って考えました。
背もたれと肘掛けを担う笠木は、一本の木材をスチームによる曲げ加工をした後、削り出して成形しました。
分厚くきついRの笠木の蒸し曲げや後脚との接合部分の加工など技術的な課題は、ほぼクリアする事が出来ました。
画期的に新しいアイデアを、完成度高く仕上げるという理想にはまだまだで、今回の椅子が完成したときは自分の現状の実力を思い知り、肉体疲労とあいまって少し落ち込みましたが、次回以降につながる挑戦は出来たと言う事で、すぐに納得。
実際に加工して得られる発見と、設計の段階で想像していた事のずれは毎回新鮮です。
また、たくさんの人に見て座ってもらえる機会をいただけたことに感謝です。
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この日納品に来ていた木工家の難波さんのロッキングチェアと一緒に撮影させてもらいました。
難波さんのカメラのファインダーをのぞかせてもらったり、カメラの話題で盛り上がりましたが、木工の話は一切無し。憧れのカメラとレンズが増えました。